トッククってどんな料理?
お正月に食べられる世界の伝統料理やお菓子はない?そう思い見つけたのが韓国のお雑煮「トックク」。韓国の旧正月(ソルラル)に食べられるお餅入りのスープで、ダシダと言われる牛骨スープと韓国のお餅トックがなんとも言えず美味しいんです。知ってるようで知らない韓国の食文化も一緒にご紹介するので、読んで作って、韓国の正月料理を楽しんでみてくださいね。
旧正月に食べるお祝いスープ
「トック」はお餅、「クク」はスープを意味する韓国語で、ソルラルという韓国の旧正月に食べられる伝統的な餅入りスープです。新年に食べる餅入りスープという点では、日本のお雑煮に似ていますが、お餅も具材も出汁も違います。
韓国のお餅トックは、うるち米で作られたカレトックという、白ネギのような長い棒状のお餅を薄くスライスしたものです。お餅と言っても日本のお餅と違って伸びず、食感も白玉に似ています。カレトックを長細くしたものがトッポギに使われているので、食べたことがある方はイメージが付きやすいかもしれません。
伝統的な具材は牛肉・人参・ねぎ・シイタケ・トックで、牛骨スープで似て、最後に錦糸卵ともみ海苔をのせて頂きます。牛骨だしの他に煮干しのだしを使うこともあるそうですが、濃厚ながら地味深い味わいで寒い冬の韓国で飲めば、体に染み入りそうです。
韓国では陰暦1月1日を過ぎると年を取るという考えがあり、旧正月はソルラルと言われる韓国な大切な行事(名節)の1つで、祝日にもなっています。トッククは厳かな名節の食事としてトック以外は入れなかったようですが【1】、時代と共に変わってきたようです。
各家庭の作り方がある韓国風お雑煮
日本のお雑煮が、地方やそれぞれの家庭で味付けや具材、お餅の形が違うことは知られていますが、この韓国風お雑煮のトッククにもそれぞれの家庭オリジナルの味付けがあるようです。レシピを探してみると、錦糸卵ではなくかきたま汁にしたり、トックではなくマンドゥと呼ばれる韓国風餃子を入れたりと「我が家のトックスープ」を誇らしげに紹介されているのが分かります。
韓国の人気アイドルグループBTSのジンさんが作ったこともあるようで、ネット上で話題になったことも。日本のお雑煮同様、長く愛される食べ物には様々なその土地、家庭でアレンジされていくものなんですね。
旧正月って?韓国のお正月をのぞいてみよう
韓国の伝統行事は陰暦
私たちが普段使っている暦は、太陽の軌道を元に作られた陽暦(太陽暦)と言われているものです。韓国に太陽暦が導入されたのは1896年のことで、それまでは陰暦(太陰太陽暦)が使われていました。ちなみに日本でも江戸時代までは陰暦が使われており、太陽暦が導入されたのは明治時代になってから。
「旧暦の…」という時くらいで、日本ではほとんど陰暦の名残は見られませんが、韓国では大切な伝統行事は今でも陰暦で行われています。陰暦は陽暦と違って1年ごとに行事の日にちが変わってくるため、韓国では日々使う暦は陽暦で、行事ごとは陰暦を確認してと暦を使い分けることになります。
韓国のお正月(ソルラル)は1月下旬
旧正月は1月の下旬になり、この時期の観光は大型連休。休業するお店も多いので、旅行に行く際は観光先の営業日を確認しておくと安心です。日本と同様、韓国でもお正月は帰省して実家でお正月を過ごすことが多く、帰省ラッシュもあるようです【2】。旧暦1月1日の朝に「チャレ」と言われるご先祖様へのあいさつの儀式を行い、その後にトッククを始めとした正月料理を食べ、花札やユンノリと言われるお正月遊びをします。民族衣装のチマチョゴリを着ることもあり、日本とよく似ています。
トックク以外の韓国のお正月料理
おせち料理に品数が多いように、韓国のお正月料理はトック以外にもあります。代表的な料理はチャプチェ(野菜と春雨の韓国風炒め)、カルビチム(バラ肉の蒸し料理)、ジョン(韓国風ピカタ)で、これにナムルやキムチなどがついたり、地方や家庭によって他の料理が加わります。
セチャンと言われるこれらの正月料理を準備する労力はかなりのもので、「祝日憂鬱症」に悩まされる主婦が出るほど【3】。国が違えど同じようにお正月を迎えるというのはおかしなものですね。
トッククをつくってみた感想
お手軽にできてこっくりと美味しい韓国料理
トッククについて調べていると、食べたくなってきた!ということで早速作ってみました。味付けの参考にしたのはこちらのレシピ。具材は人参・シイタケ・ねぎ・トックと伝統的な具材で作りました。
味付けはダシダのみでとっても簡単。牛こま肉を使ったのですが、もも肉など脂身の少ない部位の方がすっきり食べられます。また、肉は牛に限らず豚肉でも鶏肉でも美味しくできそうです。元々韓国では雉肉や鶏肉を使って作っており、今でも鶏肉を使って作る地域もあります。具材はどんなものでも合うので、冷蔵庫に残った食材をダシダで煮込めば美味しいトックが作れますよ。
その他、普使う食材で作れるレシピがあったのでご紹介します。
人気料理研究家コウケンテツさんのレシピは鶏手羽中で出汁を取る優しい味のトックク。小さなお子さんでも食べやすいレシピです。
人気動画レシピサイト「DELISH KITCHEN」のレシピです。鶏もも肉、鶏がらスープの素など普段使っている食材を使っているので作り始めやすいレシピです。珍しい食材は余らせてしまうし、、、と思っている方にも安心です。
材料はどこで購入できる?
トッククの材料であるトックとダシダは普段使うことのない食材ですが、輸入食材店やネットで購入することができます。私はKALDIで購入しましたが、近くにないという方はネットを探してみてくださいね。
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余ったトックとダシダの使い方
輸入食材など普段使わない材料を購入すると、余ったときに困りますよね。このトックとダシダは余っても毎日の食事やおやつに使いまわしやすい食材です。ダシダは鶏がらスープの素の代わりにスープに入れてみてください。いつものスープが韓国風スープに早変わりします。お鍋に入れれば、お鍋のもとを使わなくても濃厚で美味しいお鍋になりますよ。
トックはスープやラーメン、お鍋に入れて食べれば手軽に美味しく食べられます。マカロニの代わりにグラタンに入れても美味しいです。また柔らかく煮たトックにあんこやきな粉を掛けて食べてもおいしいです。腹持ちも良いのでおやつとしてもおすすめです。小さなお子様やお年寄りの方が食べる時はのどに詰まらなうよう注意してください。
まとめ
韓国の旧正月に食べるトッククは、コクのある美味しい韓国風お雑煮。意外に知らない韓国の旧正月の文化を思いながらトッククを作って食べてみてくださいね。意外に似ていると思うことが多いかもしれません。
<引用サイト>
【1】https://www.konest.com/m/korean_life_detail.html?id=436
【2】https://www.konest.com/m/korean_life_detail.html?id=576
【3】https://crea.bunshun.jp/articles/-/1196?page=2
<参考サイト>
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