シュトーレンとはどんなお菓子?起源や簡単レシピ、お取り寄せも

ドイツ

シュトーレンとは、クリスマスシーズンに食べるドイツの伝統的なイースト菓子です。たっぷりのバターを使った生地に、これまた、たっぷりのレーズンやナッツを混ぜ込んで焼き上げられます。クリスマス前のアドヴェント期間に少しずつスライスしながら食べる習慣があり、ドイツの人にとってはクリスマスをより楽しむためになくてはならない特別なお菓子です。その歴史は長く、砂糖もレーズンも広く普及する前から作られていました。最初は粉を水と菜種油で練っただけの質素なパンだったのが、宗教的な変化や、砂糖やレーズンの流通量の増加、そして何世代にも渡り、クリスマス前に作り続けてきた人々の歴史によって、真っ白な粉砂糖に覆われたリッチで甘いパン菓子になったのです。最近では日本でも人気が出てきて、色々な味わいのシュトーレンを購入することができるようになりました。今年のクリスマスは、お気に入りのシュトーレンを用意して、本場ドイツの習慣に習いながら、クリスマスまでのアヴェント期間を楽しんでみてはいかがでしょうか。

クリスマスに食べるシュトーレンとはどんなお菓子?

ドイツ伝統のリッチなお菓子

シュトーレンとは、ドイツで昔からクリスマスの時期に食べられてきた伝統的なお菓子です。長い楕円系の形をしていて、表面が真っ白になるまで粉砂糖をまぶしてあるのが特徴です。バターたっぷりのリッチなイースト生地に、スパイスやレーズンなどをふんだんに練り込んで焼き上げます。イースト発酵させているので菓子パンの様に思われますが、味わいはパウンドケーキに近いです。

本場のレシピには、中にマジパン(アーモンドの粉と砂糖を合わせて練った餡のようなもの)が入っており、かすかに杏仁の香りも漂ってきて複雑な味わいが楽しめます。練り込んであるドライフルーツは洋酒に漬込んであるので、時間が経つほど味がなじんできて、味の変化を楽しめるお菓子でもあります。

シュトーレンには作り方に細かい決まりがある?

ドイツには、元々消費者保護のために、加工物に対する細かいガイドラインがあります。シュトーレンに対してもそのガイドラインがあり、バターは粉に対して3割以上、ドライフルーツは粉に対して6割以上を配合すると言う材料の割合に対する取り決めや、粉に対して2割以上のアーモンドを使用した場合はアーモンドシュトーレンと呼ぶなど、名称に対する取り決めなどがあります。

これより厳格なガイドラインが設けられた、ドレスナー・シュトーレン(ドレスデン風のという意)というシュトーレンもあります。ドレスデンとは、ドイツはザクセン州の州都で、「ドレスデンといえばシュトーレン!」と言われるほど、シュトーレンで有名な街です。

ドレスデンでは、1990年代に伝統的なシュトーレンの保護と、ブランド化を目的として「ドレスナー・シュトーレン」を地域団体商標登録をしました。そのため、作ったシュトーレンを「ドレスナー・シュトーレン」として販売するには、材料の品質や作り方などは、組合によって定められた細かなルールに従い、さらには厳しいテストをクリアしなければいけなくなりました。

厳しい規約に則って作られるドレスナー、シュトーレンのお陰で、伝統的なシュトーレンは現代まで継承され、ドイツでは「本物のシュトーレン」といえば「ドレスナー・シュトーレン」と言われるようになりました。

アレンジ豊富なシュトーレン

伝統を守り、品質の安定を図るための厳しいガイドラインがあるシュトーレンですが、一方で昔から各家庭で焼かれ、その家オリジナルのレシピで作ったシュトーレンもあります。また、近年のヘルシー志向や食材の多様性により、表面を覆う粉砂糖やバターの量を減らしたローカロリーのものや、逆に表面を粉砂糖ではなくチョコレートで覆ったリッチなもの、その土地の特産物を使用したものなど様々な味わいのシュトーレンも作られるようになっています。時勢に合わせてレシピを変えて作り続けられるのは、長い間、愛されて来た証拠でもあります。

シュトーレンの起源は?

シュトーレンはいつ頃から食べられていたの?

シュトーレンの起源は諸説ありますが、1329年、ナウムブルクの司教にクリスマスの贈り物として献上したというのが歴史に初めて登場した記録になります。ただ、この時に献上されたシュトーレンは現在のレシピとはだいぶ違い、水と菜種油で粉を練った程度のとても質素なパンだったようです。これは、当時宗教上の理由からクリスマス前の約4週間は、卵や乳製品を摂取をしないと定められていたためでした。

しかし、15世紀に入り、ザクセンの選帝侯がローマ法王にバターを使用するよう請願し、許可されたためシュトーレンにバターを使用することができるようになりました。このときに送ったローマ法王の書簡は「バター書簡」と言われています。ザクセン選帝侯が請願書を送ってからバター書簡が戻ってきたのは、40年以上たった1491年。年数だけ見ても、バターを材料に加えるのには、相当な苦労と思いがあったことが分かります。

ずっとこの形だったの?

楕円形をしたシュトーレンの形ですが、この形の由来はいくつか説があります。おくるみに包まれたイエスの姿だったり、イエスが生誕した際にお祝いにきた三人の賢者が持っていた杖の形だったり……。いずれにせよ、クリスマスの贈り物にはふさわしく、ナウムブルクの司教に献上された時から、形はそのままだったようです。

ただ、中に入っているレーズンや砂糖は当時のヨーロッパでは流通量が少なく、非常に高価であったため、同じだったのは形のみ。現在のようなドライフルーツやバター砂糖がたっぷりと使用されたシュトーレンが普及するようになったのは、ごく最近、20世紀に入ってからのことでした。

家庭で愛されてきたシュトーレン

一般家庭にも広まってきたシュトーレンですが、最初のころは家庭にオーブンがなく、村の共同で使うパン焼き小屋で焼いていたそうです。この頃のシュトーレンはサイズが大きく、1本1㎏以上する大きさのものを、何本も焼き上げていました。今はアドヴェント期間に食べるシュトーレンですが、以前はクリスマス当日から食べ始め、イースターの頃まで楽しむ習慣であったため、3か月以上食べられるように大量に作っていたためです。

ハレの日に食べる保存食という点では、日本のおせち料理にも通ずるものがあります。お正月を楽しみに年末にお正月飾りやおせち料理を用意したりするのと同じように、ドイツではクリスマスを楽しみにクリスマスの飾りやシュトーレンを用意しているのかもしれません。

家庭でシュトーレンを楽しもう!

シュトーレンはいつ食べるの?

日本では、ハロウィンが終わった11月頃からクリスマスグッズと共にシュトーレンも店頭に並び始めますが、食べ始めるのはクリスマスの約4週間前、アドヴェントと言われる期間になります。アドヴェントとは元々はキリストの誕生を祝う前の断食・贖罪の期間であったようですが、今ではキリストの誕生を家族で祝う期間と位置付けられています。

この期間には、一日ずつアドヴェントカレンダーを開けたり、週末ごとにアドヴェントクランツの蠟燭に火を灯したりと、クリスマスが来ることを家族で楽しみに祝います。シュトーレンもそのアドヴェントのイベントの一つで、週末ごとにシュトーレンを切り分け、楽しみます。

切り分けるときは端から順番にスライスしていくのではなく、最初に真ん中にナイフを入れ、1センチほどの厚さに切り分けます。残ったものは切り口を合わせ、ラップにくるみ保存することで、カットした断面の乾燥を防ぐことができます。ラップで包んだあとは冷蔵庫で保存します。 シュトーレンは1ヶ月ほどかけて食べるものですが、賞味期限は商品によって違うため、パッケージに記載のある賞味期限を確認しましょう。

シュトーレンの人気レシピ3選

今年のクリスマスにはシュトーレンを手作りしたいという方のために、レシピを3つ用意しました。

◆材料を一からそろえるのが手間だと感じる方には、 製菓材料・輸入食材を扱っている富沢商店さんのレシピがおすすめです。使われている材料はレシピを見ながら一括購入できるようになっているので、ワンクリックで手軽に準備ができます。

はじめてのシュトーレン | レシピ | 富澤商店
【はじめてのシュトーレン】の材料は、富澤商店オンラインショップ(通販)、直営店舗でご購入いただけます。また、無料のレシピも多数ご用意。確かな品質と安心価格で料理の楽しさをお届けします。

◆ドイツの家庭の味を再現したいと言う方には、ドイツ在住のライターさんが作ったこちらのレシピがぴったりです。ご友人のおばあさんに教えてもらったレシピを作りやすい分量にアレンジしたものです。読んでいるだけで、本場ドイツの雰囲気も味わえ、読み物としても楽しいレシピです。

【ドイツ人おばあちゃん直伝】本場ドイツのシュトーレンレシピでクリスマスを盛り上げよう!本格的作り方
Guten! クリスマスマーケットとホットワインの国、ドイツ在住のユウコフランクフルト(@yukofrankfurt)です。 今回の記事では、シュトーレンの本場ドイツから、 ドイツのおばあちゃんから教わった、本格的なシュトーレン / シュト

◆こちらは実際に作った時の失敗談等も載っていて、作りやすいレシピになっています。ホームベーカリーを使用するので、とにかく簡単に済ませたい人、手ごねで作るのはハードルが高いと思う人におすすめです。

https:9//tayorakokitchen.com/20191213-stollen

人気のシュトーレンのお取り寄せ3選

お店の味を楽しみたい!という方にはシュトーレンのお取り寄せがおすすめです。生地の質感、ナッツやドライフルーツの種類によって風味が変わってくるので、それぞれ違うタイプのシュトーレンを用意しました。

◆本格的なシュトーレンを楽しみたい!と言う方におすすめなのは、欧菓子KUTSUMIさんのシュトーレン。自家製酵母とドイツ産のマジパンを使用した本格的なシュトーレンです。「サブレのような、パンのような…」という独特な食感を楽しめます。

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◆オリジナリティあふれるシュトーレンを食べてみたいと言う方には、ホームベーカリーコビヤマさんのシュトーレンはいかがでしょうか?こちらは地元会津産の素材を使用して作られたシュトーレンです。柿や日本酒など、日本ならではの材料が使われ、日本人好みの味に仕上げられています。

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◆こちらは珍しい、お酒やシナモンを使っていないシュトーレンです。スパイスや洋酒の香りが苦手な方や小さなお子様がいる家庭にはぴったりです。卵も不使用なので、アレルギーのある方にも安心して楽しんで頂けます。

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シュトーレンでクリスマス気分を盛り上げよう

シュトーレンは、レーズンやバターのたっぷり入ったリッチなお菓子ですが、伝統の味や品質を安定させるためのガイドラインがあり、また愛され作り続けられてきた歴史のあるお菓子でした。500年以上もの間作り続けられてきたシュトーレンは、レシピや食べ方の習慣を変えながら、今ではクリスマスをより楽しむためのお菓子として、ドイツのクリスマスシーズンにはなくてはならない風物詩となっています。今年のクリスマスは、ドイツに習い、自分好みのシュトーレンを楽しみながら、クリスマス準備を盛り上げてみてはいかがでしょうか。

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