イギリスの童話や人気ハリーポッターシリーズにも登場するイギリスのお菓子、糖蜜パイ。
「糖蜜」と名前が付くぐらいなので、きっと甘いのでは?と想像はできますが、一体どんな味がするのでしょうか?この記事では、「糖蜜パイ」がどんなお菓子なのか、という内容に加え、ハリーポッターに登場するシーンや材料の一つであるゴールデンシロップについてもご紹介します。
糖蜜パイって何?
日本では糖蜜パイ、もしくは糖蜜タルトと訳されているこのお菓子。イギリスでは古くから食べられているTreacle Tart(トリークルタルト)というお菓子のことです。
ショートペーストリ―と言われる、ザクザクとしたタルト生地に、ゴールデンシロップと言われる甘い糖蜜をたっぷりと染み込ませたパン粉を入れて焼き上げるのが特徴です。
「パン粉を入れて焼いたパイ」!?と驚かれるかもしれませんが、意外な食感と味わいであと引くおいしさがあります。
糖蜜パイに使われるゴールデンシロップって?
砂糖を製造するときの副産物
ゴールデンシロップはイギリスのお菓子ではよく使われる甘いシロップで、砂糖を作る時に出てくる副生産物です。サトウキビなどの搾り汁を煮詰めて結晶化させ、取り出したものから砂糖を作りますが、このゴールデンシロップは残った煮汁の方を使います。煮汁に甘みを添加し、使いやすいように粘度を調整してあります。
日本では日本ではライルズゴールデンシロップと呼ばれるゴールデンシロップが手に入りやすく、輸入食料品店や製菓材料店で購入することができます。
価格:1,153円 |
どんな味がするの?
イギリスでは蜂蜜やメープルシロップのように、パンケーキやワッフルなどにかけて食べられるようですが、どんな味がするのでしょう?
購入して実際に味見してみたのですが……なんとも不思議な味わいです。
最初に感じるまろやかな甘みはメープルシロップやケーキシロップなどと同じですが、残る後味は全くちがうもの。一番近いものを挙げるとすると、みたらし団子のタレの味でしょうか。グラニュー糖などの精製糖と比べると素朴で、駄菓子のような庶民的な甘さのシロップです。
人気児童文学ハリーポッターにも登場
日本では馴染みのない糖蜜パイですが、イギリスでは定番のお菓子で、子供のころから食べているという方も多いようです。イギリスの人気児童文学作品ハリーポッターにも登場し、ハリーの大好物の一つでもあります。作品内でも「糖蜜パイ」の名前でよばれています。
ハリーポッターのどのシーンに出てくるの?
ハリーポッターに登場するなら、ぜひそのシーンを読んでみたい!と思いますよね?調べてみると、ハリーポッターシリーズの中でも度々登場するようです。初めて読む方はチェックをして、読み返したい!という方はぜひ糖蜜パイの下りを楽しんでみてください。
第1巻 ハリー・ポッターと賢者の石
https://hpsfan.com/treacle-tart/
第4巻 ハリー・ポッターと炎のゴブレット
第5巻 ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
第6巻 ハリー・ポッターと謎のプリンス
第7巻 ハリー・ポッターと死の秘宝
ハリー・ポッター:魔法同盟
ハリー・ポッター:パズル&スペル
USJやタリーズにも登場
日本ではなかなかお目にかからない糖蜜パイですが、USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)のハリーポッターの世界観を再現したエリア「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」のレストラン「三本の箒」でも食べられますよ。
ラズベリーとクロテッドクリームも添えられているため、本場の味を楽しむことができるはず。
また、タリーズでは2023年6月7日~7月4日までの期間限定で、ハリーポッターとのコラボレートドリンクとして、トリークルタルトをモチーフとしたフローズンドリンクが発売されています。甘いお菓子は苦手という方でも、フローズンドリンクなら飲みやすいかもしれません。
実際に作って食べた感想
さて、ここまで調べてくると、やっぱり実際に食べてみたい!という気持ちになってきたので早速作ってみることに。いったいどんな味になるでしょうか?
ゴールデンシロップはほぼ一瓶使う…
私が作ったのはこちらのレシピ。
【中古】 ジュリー・カレンの英国伝統のホームメイドお菓子/ジュリーカレン【著】 【中古】afb 価格:1,210円 |
イギリス人料理研究家のレシピなので、本場に近い味と思い、選んでみました。
作り始めてみると、フィリングづくりのところで手が止まりました。小鍋にゴールデンシロップを入れて煮詰めてからパン粉と混ぜるのですが、驚くのはシロップの量。瓶の8割以上を使用します。「糖蜜」というだけに、激甘なのでしょうか。
作り方は簡単
「パイ」というと、作るのが難しいのでは?と思われますが、スコーンと同じような要領で作り、またフィリングもパン粉とシロップを混ぜるだけなので簡単でした。作業時間のみであれば20分ほどでできてしまいます。
気になるお味は?
さて、出来上がったところで、早速実食!
気になるのはやはりフィリングのパン粉です。まず口に入れた時に感じるのはその食感。柔らかいキャラメルのようなタフィーのような粘り気のあるのに歯にはくっつかないので不思議な感覚になります。次に感じるのががザクザクとしたタルトの歯ざわり。ショートブレッドに似ています。
そして感じるゴールデンシロップの甘~い味。経験したことのないフィリング食感とゴールデンシロップの味で、最初頭の中は「?」が一杯になりますが。でも美味しい!「ん~?」と首をかしげながらもついつい食べてしまうお味です。イギリスのお菓子だからかコーヒーよりは濃い紅茶と一緒に飲みたいお菓子です。
香りづけはレモンよりジンジャーの方がおすすめ
今回はレモンの皮で香りづけをしましたが、生姜を使うレシピもあり、もしかしたらそちらの方が日本人の舌には合うかもしれません。濃く淹れた熱い紅茶に、生姜の香る甘いパイ。冬にはブランケットにくるまりながら、ハリーポッターを読みながら食べたら美味しいだろうなとが膨らみます。
まとめ
ハリーポッターに出てくる糖蜜パイは、イギリス生まれのあま~いパイ。ぜひ紅茶と共に楽しんでください。
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